東芝・GE、火力発電で合弁会社

東芝と米GE(ゼネラル・エレクトリック)は、
火力発電設備の開発・販売で提携し、合弁会社を設立に向けた協議を開始することで合意した。

GEは、ガス火力発電設備の中核機器であるガスタービンの世界シェア35%
(独シーメンス社と首位を争う)

東芝は、タービンの回転から電気を取り出す「発電機」などの主要設備を製造しているほか
「発電所の建設」においても実績がある。

今後両社は、
より少ない天然ガスから高効率で電気をつくる「ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)
を共同開発し、世界で販売する。

GTCCはガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率発電設備であり
出力は最大で原発1基と同程度の100万kw規模になる予定だ。

販売面でも両社の強みを補完し合い、受注拡大を目指す。

東芝は、原発事故を受け火力の新増設が必要となる日本の電力会社に強く、
今後急拡大が見込まれるタイなどの東南アジアでも顧客網をもつ。

GEは、シェールガスを使った火力発電所の建設が進む米国や
欧州、そしてインドなどの新興国に営業網をもつ。

拡大が見込まれる火力発電

2035年までに世界で新設される発電所の投資額は850兆円と予測されている。

なかでも火力発電能力(発電容量ベース)は2035年に2009年比で7割増える見通しであり、
出力100万kw級の大型発電所が、世界で2000基以上必要になる。

とくに二酸化炭素排出量が石炭の半分である天然ガス火力がその主力となる。

こうした状況を受け、
2011年11月には三菱重工と日立製作所が火力を中心とする発電設備事業の統合を決めた。

三菱・日立の火力発電部門の売上高を合計すると1兆円を上回る。

対して東芝の同部門の売上高は3000億円程度と推定される。

原子力発電に注力してきた東芝がGEとの世界規模での提携に踏み切った背景には
今後の世界の発電がガス火力にシフトする可能性の大きさと
三菱・日立の火力発電部門統合がある。

東芝は、震災後、日本で5基のGE製ガスタービンを電力会社に納入し、
中部電力・西名古屋火力発電所では、世界最高の熱効率(62%)の最新型コンバインドサイクルを他者に競り勝って納入した。

シェールガス革命に沸く米国ではコンバインドサイクルの新設需要が大きい。

東芝・GE連合の今後は、まず米国において試されそうだ。

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