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宇宙のゴミ(スペースデブリ)

地球を周回する軌道上には天文衛星、通信衛星、軍事衛星など多数の衛星が打ち上げられている。
そして、老朽化し役割を終えたロケットや衛星、その一部、ロケット切り離しで生じた破片などが
宇宙空間に取り残され、「宇宙のゴミ」として深刻な環境問題を引き起こしている。
この宇宙のゴミを、スペースデブリという。
これら宇宙にとり残された物体は、地上500kmの低地球軌道でも10km/sの相対速度を持ち、
直径1cmのアルミニウム片でも小型自動車が時速50キロで衝突するのと同じ衝撃を与える。
10cmの金属片に衝突すれば、宇宙船など完全に破壊されていしまうのである。
現在1mm以上のスペースデブリは350万個以上、10cm以上のものは1万6000個あり、
総重量は4000トンを超えると見られている。
しかもこの数年で急増し、それぞれ異なる軌道上を周回しているため回収するのは困難である。
1cm以下のゴミについては宇宙ステーションの防護壁を二重にして防御し、
10cm以上のものについては宇宙監視ネットワーク(米、ロ、日など)の観測に基づいて
よけるしかない。
ただし、1996年にはフランスの衛星がロケットの破片に衝突して故障し、
2009年にはアメリカの衛星が、宇宙のゴミと化したロシアの使用停止衛星と衝突し、大破している。
状況は悪化しているが、有効な対策は立てられていない。