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森林破壊と土壌侵食

土壌侵食

開発途上国を中心に土壌浸食が大きな問題となっている。

土壌侵食は、以下のような要因の連鎖によって引き起こされる場合が多い。

(1)森林の「根」が土壌を支え、水分を保持した土地が
   森林伐採などにより土壌の保持力を失う。
        
(2)森林を伐採し、土壌の保持力を喪失した土地で「農業」を行うと
   土壌の栄養分が失われ、土壌がバサバサになる。(土壌が壊れやすくなる)
        
(3)壊れやすくなってしまった土壌に、「大雨」が降ると
   地面を水が流れ、土壌が運び去られる
        
(4)土壌侵食につながる

土壌浸食により、作物の生産力の高い土が失われると、農業生産力が低下し、耕作不適地となる。

土壌浸食を引き起こす原因の一つに、熱帯の開発途上国で多くみられる「焼畑農業」がある。

森林が十分回復しないうちに焼畑農業を繰り返すことによって
地面が露出し、土壌が栄養分や水分を失いバサバサの状態になり、
洪水や強風などによって流され、吹き飛ばされて行く。

FAO(国連食糧農業機関)のアフリカでの土壌調査によれば
表土の厚さが1mm減るごとに、農業生産力は2~5%減少することがわかった。

しかしアフリカのほとんどの国で土壌浸食を食い止める対策は行われていない。

また、中央アジアのカザフスタンでは
自然林を大規模に伐採して小麦生産地につくりかえる計画が進められ
1980年には穀物の作付面積は2600万ヘクタールまで広がった。

しかし、それに伴い大規模な土壌浸食が起り、
穀物作付面積は、1990年に2300万ヘクタール、2001年には1300万ヘクタールに減少した。

土壌浸食は、一旦引き起こされるとその土地での回復は困難であり、
あらかじめ土壌侵食を起こさない農業生産方法を確立し、それを行う以外に対策はない。


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