連携線 ・・・日本の電力ネットワーク

連携線とは、電力会社間をつなぐ送電線のことをいう。

日本の電力ネットワークには

  • 連携線の能力の小ささ
  • 東西での周波数の違い
  • 串型系統

などの制約がある。

日本の電力ネットワークは
広域での電力需給調整を前提につくられてきたものではなく
「地域ごとに」発電所や送電線を計画・建設し、
電力会社ごとに需給調整を行うことを基本にしたシステムなのである。

したがって、
電力会社間をつなぐ連携線
非常時などに助け合うための必要最小限の量しかなく、
本格的な電力自由化を前に様々な問題が指摘され始めた。

連携線は数十万kw程度の電気を通せるが
そのすべてが使えるわけではなく
連携線使用には原則、前日までの予約が必要などの制約がある。

また、
連携線が一つしかない地域も多く、電力融通に制約をもたらす「串型系統」であり、
たとえば北海道電力で電力が余って東京電力に流す場合には
北海道⇒東北⇒東京電力と、2つの連携線を使うことになる。

欧米のように送電線を縦横に張り巡らしている「グリッド型系統」ではないため
電力の広域調整に大きな制約があるのである。

日本の電力ネットワーク(系統連係)

さらに、
東京電力から東側の地域は50ヘルツ、
中部電力から西側の地域は60ヘルツ、
と、狭い国土でありながら2つの周波数の電気が流れている。

東京電力と中部電力の間で電気を通すには周波数を変換することが必要となるのである。
(新信濃、佐久間の2か所に周波数変換所があるがその容量は120万kwしかない。) *注)

これから発送電分離などを含めた本格的な電力自由化を進めるためには
日本の送電線網整備をどのように行うのか、その資金をどうするのか
などの問題をクリアしなければならない。

送電部門を分離・独立させさえすれば全てうまく行くというわけではないのである。

*注)
  2020年に周波数変換設備を60万kw増やし、210万kwに増強する計画が進んでいる。
  (⇒[[>]]を参照下さい。)