コトパンジャンダム

ダム建設と自然破壊・人的被害

コトパンジャンダム

コトパンジャンダムは1997年、
インドネシア・スマトラ島中部に完成した。

高さは 58m、長さは 258m、
日本のODA 約312億円で造られた水力発電用ダム。

このダムの建設により124㎢が水没
山手線内の面積の2倍
2万3000人が移住を余儀なくされた。

水没予定地外でも冠水が起るなど被害は拡大し、
スマトラ象、スマトラトラ、バクなど多くの野生動物が死滅し、自然破壊は深刻なものとなっている。

強制的な移住、少額の補償金、代替地で生計を立てることができなくなり生活維持ができなくなったこと、
(水没予定位置以外で冠水し避難した住民には、補償金すら支払われなかった)
伝統的な村落共同体や文化が破壊されたことなど
多くの人的被害が発生したが、全く救済されず放置された。

2002年、被害住民は、日本政府、JICA(国際協力事業団)、東京電力などに対して損害賠償などを求め提訴した。

移住を余儀なくされた8000人以上の住民が原告となり、
インドネシアから東京に来て提訴し、裁判闘争を継続。

2009年9月の東京地裁判決では住民の訴えが認められなかったが、
東京高裁に控訴し、裁判は継続している。

同意書へのサインが半ば強制的な形で行われたこと、
ずさんな計画で被害額大してたことなど、
これまで政府間の密約を盾に公にされてこなかったODAの問題が、
裁判という公の場で明るみなり、注目されている。

日本のODAを見直し、
援助の新たな形を模索する転換点とすべきである。


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